ロスタイムライフ

憂鬱と煩悩

Chapter4 Higway

ホテルまでの送迎をしてくださる方と合流し、空港の外へ出る。

 空港の外に出た瞬間、降り注ぐ日光と道を走るキャデラック、シボレー、リンカーンが目に入る。ついにインターネットや映画の世界でしか見たことのない国に来た実感が湧いた。

 

 

ホテルまでの送迎車を待っていると送迎車が止まるであろう場所に止まっていた車があり、その車に対し温厚そうな送迎の方が烈火のごとく英語で怒鳴り散らしていたのを見て、日本人も住み続けるとアメリカに染まるのだなとなんだかしみじみ思ってしまった。

 

 

車に乗りホテルまで約三十分の移動中、ハイウェイから見える景色は僕の見て来たアメリカ映画とそのまんまだった。 

 

背の高い木、遠くに見える山、貧しそうな家の周りに張り巡る金網。

 

不思議と僕は景色だけを見てずっとにやにやしていた。 

 

パルプフィクションバックトゥーザフューチャーレザボア・ドッグスが作られた街にたった今来てしまっている感動に身震いすらした。