Chapter3 LAX
約十時間程のフライトの最中半分も眠ることができなかった。
見た目通りしっかりまずい機内食に二回もうんざりした頃窓の外は快晴が広がっていた。 ついにロサンゼルスに辿り着いた。
飛行機を降り、入国審査が始まった時少しおどおどしてしまった。
同行した二人は以前アメリカに渡航したことがあるため早く終わり、残すは僕だけ。
列に並んでいる最中、日本人女子大生らしき人が複数人に囲まれているのを見た上に、僕は髭を生やしているため、渡航した時期問題に上がっていたISの奴らに間違われないか不安で仕方なかった。
空いたレーンに入ると相手は四十過ぎの女性で、彼女は一言目に僕の着ているパーカーのブランドについて私も好きだと話し始めた。
完全なる個人的な会話。 僕は早くロサンゼルスの地を踏みたいのにこのババアが邪魔をしてくる。
友人には突っかかっていると思われ写真を撮られそれもまた余計に恥ずかしい。
雑談が終わりパスポートに判を押すと共に彼女はWelCome to LAと言った。
やっとだ。やっとロサンゼルスについたと思った。 開放感からキャリーケースが軽く感じた。